◆ NY12とポリエーテルを25mol%含むポリアミドエーテル(PAE)を延伸した際の小角X線散乱の2次元強度分布(以下マップ)について説明します。ここでλは延伸倍率です。

Fig22-2-2-1-圧併合

◆ (a)と(b)は未延伸膜(λ=1)です。いずれのマップにも円環状の散乱が検知されています。結晶領域と非結晶領域の積層構造(Ⅰ)が膜内でランダムに存在していることを示しています。(b)の方が熱処理されていますので散乱強度は強いはずですが正確には反映されていません(測定異常?)。

◆(c)は延伸倍率λ=2の膜です。赤道付近の円環状散乱極大の一部と上に凸の楕円環状の散乱が現れています。後者の中央付近に散乱極大が検知されています。
 (d)[λ=2]、(e)[λ=3]、(f)[λ=4]と延伸倍率が高くなるにつれて湾曲した楕円環状の散乱が層線上に広がるような散乱極大に変化していきます。結晶領域の配向性が高くなるにつれて先に述べた(Ⅰ)の延伸方向に沿った配向性が高くなっていくことを反映しています。

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 #ポリアミドエーテル、#小角X線散乱、#散乱強度2次元マップ、 

ミクロラボΠSABAE  TOSHISADA TAKAHASI 高橋 利禎
福井大工学研究科修論 四方 忠博

投稿日:2023年6月6日
改訂日:2023年7月10日